まつ毛エクステ、通称マツエク。

 

私は緊張していた。

鏡の前で緊張していた。

 

 

マツエクを、やるか、やらないか、という事を、人生でこんなに悩んだ事はないくらい深刻に悩んでいた。

 

 

コンプレックスというほどではないのだが、私のまつ毛は決してボリューミーとは言えなかった。

お洒落やメイクを気にしだす年ごろになると、普段使いのつけまつ毛をつけるようになった。

そんな自分に慣れてしまうと、もうつけまつ毛無しでは外出できなくなってしまった。

 

 

瞳を大きくするためにカラーコンタクトを入れ、目をクッキリと大きく見せるためにアイラインをしっかり引き、そしてつけまつ毛をつける。

これをやらないと、外を出歩けない。

例え薄化粧をしていたとしても、つけまつ毛をつけないで外出するのは、すっぴんで外出するのと同じくらい恥ずかしい事だった。

 

 

そんな私だったが、このつけまつ毛、お金もかかるし、瞼に貼り付けるのが肌への負担になっている事は重々承知していた。

何よりも毎日つけては外しが非常に面倒だった。

 

 

そんな私がマツエクを知り、こんな画期的な方法があるのか!と驚いたのだが、やはりすぐにやってもらおうと思えるほど安直には考えられなかった。

費用もそれなりにかかるし、健康面で安全なのかどうか、失敗して変なかんじにならないかどうか、すぐに取れてしまったりしないか、とても不安だった。

 

 

それで、色々な人に話を聞いたりインターネットで口コミを調べたりしてみた。

信頼できるところで施術をお願いすれば大丈夫というところで落ち着いたのだが、それでも不安の方が大きくてなかなか一歩を踏み出せずにいた。

そして鏡の前で悩み続けていたのだが、そんな私の背中を押してくれたのは、変わりたいと心から願っている自分自身に他ならなかった。

 

 

うじうじ悩んでても仕方ない!失敗したらその時だ!

二の足を踏んでいるのは時間の無駄!

やるだけやってみよう!

とてつもない緊張が走る!

 

 

そして、今に至る。

 

 

私は、自分の中の小さな勇気を最大限振り絞ってマツエクを施術してもらった。

スタッフさんの説明はとても分かりやすく、安心して任せられた。

 

 

そこから、世界が急に変わった。

 

 

 

 

 

鏡に映る私の目はつけまつ毛なんかつけるよりもよほど自然に、豊かなまつ毛を蓄えて見えた。

瞼も軽く、何もつけていない感覚だった。

毎日鏡と睨めっこしながらつけまつ毛と奮闘する必要も無くなり、ストレスなく快適な日々を過ごしている。

何よりも自然な見た目に仕上がった事が最高に嬉しかった。

 

 

人生を輝かせてくれたマツエクは、今は私の一部として私の人生を支えてくれている。

今では、初めてマツエクをするときの緊張感が嘘のようだ・・・。